2021コラムVOL 01
海に一礼するサーファーが多くなってきたとも聞きます。
以前プロサーファーの善家尚史さんが一礼して海から上がっていらっしゃったことは記憶に鮮明にありパフォーマンスなどではなく滲み出る生粋の日本人の精神と思って関心したことをよく覚えています。
海へのお辞儀、一礼が気になり
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してみると、”そういうサーファーのお辞儀が気持ち悪い”というコラムを書いていらっしゃる方がいて、それはそれで個人の感想なので、そういう人もいるだろうな、と。
今回の話は、それにまつわる「海と陸地にある一線」のお話を記してみようと思います。
まず、なぜマリンスポーツが流行らないのか、スポーツとして大成しずらいか
とも関係なくはない話となりますが、サーフィン雑誌の編集者だった時代からの長い時間でアメリカなどと比較し検証してきたことと踏まえて考えるに
私の結論とすると「日本の海は神のいる場所だから」ということが答えです。
日本は自然環境が過酷です。四季もあり常夏ではないなども理由もありますが、東海岸カリフォルニアもそうですし他国も気象ではハリケーンやらの条件はあり、気象が激しいというだけでは日本のみとして定義できないものです。
八百万(やおよろず)の神。日本書紀、古事記にもありますが古くからの日本の成り立ちの歴史です。
日本は海も山も木も岩も葉にも”神羅万象”に神がいる日本は「海とは神」です。
そして”神社”は祭祀施設で神社庁が定める施設ですが、神社庁の定めている指定だけですので、本来、日本の信仰は八百万としては「海」も神社と同じ神のいる場所となります。
ご存知、記紀にも記される海神、綿津見の神(ワタツミ・ワダツミ)は海、雨をつかさどる神。
そして、日本では海岸や浪打際・インサイド寄りで、ときどき鳥居を見かけます。たとえば次回オリンピックの指定ポイントである千葉の釣ヶ崎海岸(志田下)にも鳥居があります。
鳥居=結界(けっかい)、つまり神と俗との境となり、そこからは神域であることを表しています。
波打ち際、海のアウトは、神のいる神域となります。
さて冒頭に戻りますが、日本人の海人として、折角スポーツとしてアピールするのであれば、ぜひ、心の中でも所作としても、した方が良いと思っています。
ここには、国際ルールなどは一切関係がなく、海外から見てカッコ悪いとかも一切関係のないの話。
神社に行かない方や宗教の違う方でしたら、海が普通の何も意味を持たない単なるフィールド、で良いのだと思います。
ということで、今回のお話。「海と陸地にある一線」。
神の領域へ立ち入ること。そこに、おのずと礼をする人は、神社参拝をなさる日本人なら自然な行動、ということをまずは皆さんとシェアをしてみたというお話でした。
WORDS BY NAOKO TANAKA
田中菜穂子