photo by Natsuki Yokote
オリンピック追加種目選定に残り活気づいているサーフィン。しかし盛り上がっているのはサーフィンだけではないのだ。
ポルトガルのNAZARE(ナザレ)といえば、とんでもないビッグウェイブが押し寄せ、最近映像でもよく見る注目のポイント。そのナザレで開催されていたAPBツアー最終戦の「NAZARE PRO」で若干20歳のプロボディボーダー鈴木彩加が優勝した。
日本からは大原沙莉、鈴木彩加、横手奈都紀と3名のプロボディボーダーが出場。最終戦を前にして大原沙莉は世界ランキング2位。鈴木彩加は8位でこの大会を迎えた。
この大原沙莉プロは全米最大のサーフィン大会US OPENで日本人として初優勝した大原洋人プロの姉で、現在国内プロボディボードランキングぶっちぎりのトップ。
その大原沙莉は世界ランキング1位のAlexandra Rinder(Canary Islands)がQFで敗退したため、SFに進出を決めれば大原沙莉の世界チャンピオンが確定する。そんな状況だった。
しかし世界の壁は高かった。過去に幾度となく世界チャンピオンを獲得しているIsabela Sousa(BRA)が大原の前に立ちふさがりその可能性を閉ざす。
そしてそのイザベラとファイナルで戦うことになったのが順調にファイナルへ勝ち上がった鈴木彩加だ。
サイズが下がり、波のインターバルが長いこのヒート。序盤はイザベラが波を掴みリードする。しかし落ちついた波選びで形のいい波を掴み鈴木彩加が逆転!
得点差はわずか0.05ptという僅差で後半戦へ突入した。
2人ヒートで行われたファイナルには優先権(プライオリティルール)があり、同じ波に乗る場合権利を有するものがポジションに関係なく優先される。そのプライオリティをいいタイミングで持っていたのは鈴木彩加。
一般的には優先権を持っている方が有利なのだが、イザベラも試合巧者。残り5分というところで、さほどいい波ではない波にテイクオフしようとして、それを乗らせまいとする鈴木に波に乗らせ優先権を使わせる作戦をとる。
そしてイザベラはそのすぐ裏の波にテイクオフし良いアクションを見せるも、最後のエルロロを失敗、得点が伸びず順位は変わらず。
またイザベラが後の波に乗ったことで優先権を獲得した鈴木はしっかりとイザベラをマークし、残りあと90秒で入ってきたこのヒート一番の波にテイクオフ。しっかりとしたボトムターンから打点の高いエルロロ、そしてスピンとアクションを決めてヒート最高得点の7.5ptを叩き出し勝負を決めた。