GO’s photo Gallery #021
日本のサーフィン発祥の地は諸説あるが、そのなかでも最有力とされるのが湘南・鵠沼(くげぬま)海岸。
その場所柄もあり県内の米軍基地から兵士たちが持ち込んだとされるサーフィンが、この土地の人々によって楽しまれるようになり日本全土の海岸でサーフィンが広まったとされる。
特に鵠沼海岸は、湘南におけるサーフィンの中心地といえる存在。鵠沼海浜公園など、海岸環境が整備され、多くの人の憩いの場としても愛され、様々なビーチスポーツがこの地で生まれ活気づいてきた。
夏は驚くほどの数のサーファーで溢れ、冬でも波のある日は混雑を見せるこの地は、低気圧によるウネリをキャッチすれば素晴しい波がブレイクする場所。あの葛飾北斎が制作した木版画である『富嶽三十六景』の一つで、波と富士山が描かれたかの有名な『神奈川沖浪裏』(かながわおきなみうら)はこのあたりが舞台でもある。
また、鵠沼海岸の波以外の自然の素晴しさは、夕方のサンセットにある。
日没前になれば毎日違った角度、毎日違った太陽光の屈折具合によって、さまざま夕陽の”色”を見ることができる。
仕事を終えたサーファーたちが夕方の最終ラウンドを目指し、夕陽に染まる海に飛び込んでいく。
その鵠沼海岸はアメリカのマイアミビーチ市と姉妹都市として提携しているが、かの世界的なビーチタウンのマイアミは東海岸に位置しているため、朝日を仰ぐことはできても、こんなにも美しく海を反射する夕刻の光を見ることはできない。
鵠沼海岸は南を向く海岸線として朝日も夕陽も見ることができる貴重な海岸、なのである。
東京からも近く人口が多いこともあり、日本の海岸文化を発信しつづけている湘南。
この鵠沼海岸は、観光地も多く、電車でもアクセスでき、公園や駐車場なども整備されているため、今後も日本でもっともひらけた海岸として愛されていくはずだ。
PHOTO:IZUMIKAWA GO(BLUER PHOTOGRAPHER)
TEXT:NAOKO TANAKA (BLUER)
GO’s Photo Gallery Photos Collection
http://www.bluer.co/surfingnews/?author=15