Photo: http://argyruntum.com/paklenica-hiking-walking-your-troubles-off/
初めての山デビュー。楽しくなるはずの山登りが汗だくで疲労困ぱい、なんとか夕暮れ前に下山できたけど次の日はひどい筋肉痛で動けないといった「もう山なんて登りたくない」となりそうな失敗をしないための”5つのコト”を紹介したい。
■オーバーペースは汗だく・疲労・筋肉痛に
山を登るときのペースはゆっくり目で、と知っていても登り始めは元気もありテンションも高い。実は登り始めの初期段階はオーバーペースになっていることが多い。この段階ですでに汗だくになりTシャツはビチャビチャともなれば、息が切れて疲れた頃には汗も冷えて寒い思いをしてしまう。そうならないためにも、初めは焦れったいくらいのペースで登り始め、その後は息が切れないペースで登る。目安としては楽におしゃべりが出来るくらいのペースがちょうどいい。無理にタイムスケジュール通り進めようとするのもオーバーペースになりがちなので、時間が遅れている場合は無理に目標地まで行かず引き返すようにしよう。また急登があれば大股で登ると筋肉痛の原因にも。小さな歩幅で目線は高く維持、それでも辛い時はジグザグに歩くようにすれば無駄な筋力を使わず筋肉痛も軽減される。
■食事は休憩ポイントまで我慢しない
山の中の楽しみの一つに食事がある。その食事を目標にもう少し頑張ろう、ということはやめておこう。お腹が空いているということはエネルギーが減っているということ、そのまま登り続けやっと食事にありつけたかと思ったら悪天候になり、食事をまともに摂らずに下山ということもありうる。そうならないためにも、簡単に口にできるものを用意し、こまめに口にするようにしておこう。食事の時間はちょっとした“美味しい物”があればいい。それだけでも十分楽しめる。お腹が空かないよう小休憩ごとに何かを食べ、食事の時間は空腹を満たすための食事ではなく、楽しくなる食事を心がけると登山はより楽しくなる。
■ウェアリング
山頂は意外と寒い。特に風に当たると体は急激に冷えてしまう。夏場でも必ずジャケットは携行するようにしよう。そして、汗をかいてしまった後の汗冷えはとても厄介。最新のウェアには汗の戻りを感じさせないウェアや、汗冷えを抑えるインナーなどたくさん発売されている。ハイテクウェアもしっかりチェックしておこう。そしてその時その時の気温や体温に合わせ、こまめに来たり脱いだりが楽に出来る服装を心がけよう。
■ 逆Y字を見逃さない
逆Y字とはルートがY字に分かれている部分で、行きはルートの合流に気づかず、帰りにふた手に分かれるルートが出てきてどちらから来たのか分からなくなってしまうポイント。こんな分かれ道あったっけ?なんて言ってルートを間違ったと錯覚したり、間違った方向に進んでしまったりと、とても道迷いの危険性が増す箇所となる。そうならないためにも、予め地図上で逆Y字となる部分をしっかりチェックし、登山中も小さな分岐も見落とさないよう注意しながら歩いていこう。もし、逆Y字を見つけたら、どちらから来たかしっかりメモを取り、帰りを想定して数歩離れた箇所から振り返って景色もしっかりチェックしておこう。
■ トレッキングポールは不要
最近は登山でトレッキングポールを用いて疲労を軽減するといったスタイルをよく見かける。しかし、ストックをうまく使いこなすにはそれなりのコツも必要となってくる。実際にうまく使えている人は2割程度だろう。実は国際山岳連盟ではトレッキングポールの利用は推奨していない。これから山登りを続けていきたい人には不整地を歩くことに慣れるようバランス感覚を身につけるために、トレッキングポールなしで登ることを勧めている。膝の痛みが心配される場合や中高年者にはトレッキングポールを利用するよう勧めているが、そうでない場合はトレッキングポールに頼らずに登れる山から初め、バランス感覚や筋力を少しずつでも身に付けていこう。
以上、初心者が失敗しがちなコトだが、はじめから完璧というのはやっぱりない。だからこそ、過信しすぎず簡単な山から初め、無理の無い計画で登山に挑んでもらいたい。必ず山には楽しさが隠れている、その楽しさは自分自身で見つけないと山は何も教えてはくれない。積極的な”遊びの達人”になることこそ山の達人になる近道なのかもしれない。