Photo: Ross Manges/Flickr
登山といえばいつの時間に山を登っているだろう?ほとんどの人は朝から登り始め昼過ぎに下山という予定で登山をしているのではないだろうか?それ以外では朝日を見るために日が昇る前に登山を開始するという場合がほとんどだろう。
また、登山の目的の一つとして、喧騒から離れ静かな山の中を楽しむという目的がある。しかし人気の山では昼間は多くの人達で賑わい、せっかくの山の中でも静寂を味わえないことも多い。
では、日が暮れる時間に登り始める登山だったらどうだろう。昼間にはあれほど多くの人がいた山も、夜になればすれ違う人すらいない。聞こえるのは風の音と自身の踏みしめる足音のみ。静寂という言葉だけでは表しきれないほどの静けさが山の中にはある。そして、他では形容しがたい心を握りしめられるほど美しい星空が山の中にはある。そんな素晴らしい体験が出来るのが深夜登山だ。
しかし、深夜登山には多くのリスクがつきまとい誰でも気軽に出来るわけではない。これから深夜登山にチャレンジしてみたい人は、必ず細心の注意を持って挑んでもらいたい。
■ 明かりは絶対に絶やさない
夜の山で明かりがなくなることは命取りとなる。必ず予備の電池、そして予備のヘッドライトを持っていこう。
■ 初めての山には行かない
深夜登山で挑む山は必ず行き慣れた山にする。そしてどんなに行き慣れた山でも油断しないようにしよう。暗いというだけで思った以上に山の雰囲気は変わる。歩き慣れた道でも道迷いしてしまう可能性が大いにあるので、絶対に軽視しないよう心がけよう。
■ 夏場でも温かい服を準備する
夜の山は夏場でもとても寒くなる。必ず温かい格好が出来る準備をしておこう。また、汗をかけばその汗が冷え、瞬時に体までもが冷えてくるので、着替えのシャツも多めに持つこと、そして汗をかかないペースで行動しよう。
■ 昼間以上に余裕を持った行動予定にする
夜の山歩きは思った以上に時間がかかる。ルートを探すことにも常に気を向けて置かなければならい。そして急ぐことは厳禁。安全と思った場所が実は谷間だったり大きな溝だったりすることもある。見える範囲に危険がないか、そして足元にも十分注意しながら歩きたい。
Photo: Lallan / shadowness
Photo: Rim of Africa Multimedia Trail Journal
http://tboltkid.com/trailjournal/kouebokkeveld-traverse/
以上、ここでは、気軽に行くには危険過ぎるという認識を持ってもらうために最低限の注意だけをピックアップしているで、実際には山のベテランに付いて深夜登山に挑んでもらいたい。敷居が高く感じられるかもしれないが、一度でも深夜の山を楽しむと昼間では物足りなくなるくらいの楽しさが詰まっている。
月明かりだけに照らされる山を見ながら温かい飲み物で過ごす時間、まるで宇宙の中にいるかのような場所でテントを貼り静寂の中で楽しむ時間、そして昼間では味わえないドキドキ感。そういった他では絶対に感じることのできない時間が深夜の山にはある。