いまや世界的に愛されるサーフ&スノーブランド「QUIKSILVER(クイックシルバー)」とその女性版「ROXY(ロキシー)」は日本でも言わずと知れたブランドとして現在はアメリカ・カリフォルニア州のハンティントンビーチに拠点を置く。
そのロゴマークは実に日本と深い関わりがあることを知る人は、意外に少ないかもしれない。
サーフィン・コンペの世界において今年、ワールドタイトルを11度も制覇し12度目の世界制覇を狙う王者ケリー・スレーターを長年スポンサードしてきたクイックシルバーが契約を終了させるというニュースが業界を騒がせた。
ケリーという大きなアイコンを失ったが、ケリーの意向は別として、ビジネス的には新たな展開が必要なタイミングでもあったクイックシルバーが今後いかなる戦略で展開をしていくのかが気になるところでもある。
しかし、あらためてクイックシルバーというブランドは、スポーツとして、文化発展のために、サーフマーケットに大きく投資し続け、場の提供、スタイルの提案など、歴史的にも 群を抜いて貢献してきたブランドといえる。
1970年にアラン・グリーンとジョン・ロウによって創られたクイックシルバーは創立44年の歳月が経つが、双璧をなすブランドとしてサーフィン業界を牽引する存在と言われBILLABONG(ビラボン)が1973年に設立されていることからも、より古くから業界を支えている立場でもあるわけだ。
さて本題。
ウィメンズブランドとして展開するROXYは1991年に当時のCEOであったロバート・マクナイトの娘の名前にちなんで付けられたブランドでありクイックシルバーのロゴを向かい合わせに配置したものだ。
このクイックシルバーロゴ。実は葛飾北斎の『富士山と波(神奈川沖浪裏)』に魅せられ、「この絵こそが自分たちのライフスタイルを象徴するものだ!」と感銘を受けたことから、この絵をモチーフとしてブランドロゴが創られた歴史がある。
「富士山と波(神奈川沖浪裏)」は葛飾北斎が制作した木版画であることはあまりにも有名だ。
1831年(天保2年)頃に出版された名浮世絵のひとつで、巨大な波と翻弄される船の背景には富士山が描かれている。北斎の作品の中ではもっとも有名な作品の1つであり、世界に知られる日本美術の1つだ。
つまりクイックシルバーとは創設者の2人がオーストラリア・ビクトリア州ベル海岸で発足したものだが、そのロゴが実は神奈川県の海岸にインスパイアされたことがなんとも驚きのストーリーでもあり、そのアイデンティティが世界的にサーフィン業界をささえてきたことは、ある意味で日本のサーファーにとっては誇らしきことではないだろうか。変化を遂げるこの老舗ブランドの動向を今後も見守り続けるとともに、あらためて美しい海岸と景観を持つ日本の海岸を想い、サーフィンがますます日本でも更なる発展を願ってやまないのである。
※本コラムはクイックシルバーおよびロキシーのブランドヒストリーを元にコラムとして執筆しています。
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