進化を見せる日本のビーチ事情。千葉県一宮エリアにも新しいスポットが続々と誕生している。カジュアルに食せるオトナの外房フレンチや、旬の食材を活かしたヘルシーメニューが味わえるカフェなど、一宮エリアのビーチには週末を充実させるコンフォート(=快適)な時間が待っている。
< 特集ダイジェスト >
photo & movie by 香田ノブヒロ(アロハ クリエイティブ)
< 第1回 特集ラインナップ >
01. 電車アクセスなら東京から1時間でたどり着くアフリカンキャンプリゾート
– ポレポレ 〜イン・ザ・パーク〜
02. 夷隅の奥に見つけた異空間!時間の止まるオーガニックカフェ
– ライステラスカフェ
03. 未経験者にグッドニュース。サーフもSUPも手ぶらが最旬形!
– オアシス サーフ & リラックス
04. シェアも購入も、一宮を中心に夢のビーチライフをかなえます!
– 波乗不動産
特集「週末を楽しむビーチトリップ」では第1〜3回にわたり、サーファーや海好きのためのとっておき最旬スポット情報をお届けします。
01. 電車アクセスなら東京から1時間でたどり着くアフリカンキャンプリゾート
POLE POLE 〜IN THE PARK〜
太平洋に沿って走る国道30号線からひとつ内陸へ。ウグイスの鳴き声が心地よい閑静な環境にオープン1周年を迎えたレストラン、ポレポレはある。
エントランスをくぐると緑が眩しい木々とガーデンが視界に入り、その向こうに低層のレストランと併設されたゲストハウスが姿を見せる。ファインダイニングでサーブされるのは本格フレンチ。しかし重厚な雰囲気ではなく、カジュアルな装いで地の食材を活かしたメニューを味わうことができる。
趣はオトナがゆったりとくつろげるキャンプリゾート。アイデアの源はアフリカにあるとオーナーの高橋久仁郎さんはいう。
「以前に訪れたアフリカで、サファリツアーの宿泊先をシンプルなコテージやテントとするプランがあったんです。食事はファインダイニングで楽しむという内容で、そのようなキャンプリゾートを日本で展開したいと思ったのがきっかけでした」
アフリカに広がる大地のイメージを大切にして、キャンプリゾートを展開していくためには広い敷地が必要となる。地価の高い湘南は現実的ではない一方、千葉には広い土地がある。サーフィンもしていた。一宮へたどり着いたのは、なかば自然の流れにあった。
オープンから1年、ポレポレの存在を聞きつけて東京からランチやディナーを楽しみに訪れるゲストも増えたという。東京駅から上総一ノ宮駅までは特急で1時間。駅からはタクシーを使い、自然に囲まれながらのフレンチを楽しんだ後で、また東京へと帰っていく。
「最近では、東京からこちらに移り住んだり、週末だけを海で過ごす方が増え、そのような方々にも使っていただいています。ご宿泊のゲストは、東京からサーフィン目的でこられるご夫婦やカップルが多いですね。ディナーを食して翌日は朝イチから1ラウンド。奥さまはテラスでシャンパンを楽しんだり、お部屋でゆっくりとした時間を過ごされるといったような滞在を楽しむ方が多く見受けられます」
食材は95%が土地のモノ。海の街らしい海産物に加え、地元の農家で収穫された新鮮な野菜もふんだんに提供している。メニューは月変わり。これからは夏野菜を使ったこだわりフレンチに注目したい。
1)外観
低層だから空が大きく、風が心地よく吹き抜ける。庭では揺れるハンモックでうたた寝、という至極の時間も楽しめる。
2)メニュー
食事はコースメニューを中心にアラカルトも楽しめる。写真はプリフィックス3コース。写真右中から、食事がサーブされる間を楽しむアミューズは前菜の前のひと口として。前菜のお刺身ポレポレスタイルは、軽くマリネしたアジに和風だしジュレとクリームチーズをくるみ、甘夏を使ったソースで仕上げた一品。メインは、自家製のふきみそをソース添えた北総ブタのソテー。デザートは、はっさくのチーズケーキ。
3)店内
テーブルを囲むガラス窓からは緑が香る。採光も良く、視覚にやさしい環境で旬の食材を味わえる。
4)シェフ
ヘルシーな外房フレンチを創作するシェフの姿を見ながら食せるカウンターも用意。
5)ガーデン
敷地の境界線は木々が生い茂り、木陰ではのんびりと読書タイムに耽ることも可能。
6)エントランス
手作り感が温かいおもてなしの心を表現。玄関のウッディさと、その向こうに広がるグリーンに触れると心地よさに包まれる。
7)ゲストルーム
小鳥のさえずりが目覚まし時計。手作り感にあふれるゲストハウスはディナーを予約した人だけが泊まることができる。
8)オーナー
オーナーの高橋久仁郎さんは東京からの移住組。毎日営業という仕事の合間を縫ってしっかりサーフ。充実したライフスタイルを築いている。
<問い合わせ先>
ポレポレ 〜イン・ザ・パーク〜
千葉県長生郡一宮町一宮350-78
http://pole-pole-in-the-park.jimdo.com
TEL.0475-47-4851 無休
02. 夷隅の奥に見つけた異空間!時間の止まるオーガニックカフェ
RICE TERRACE CAFE
スタッフたちみずからつくった無農薬でのびのび育った米と野菜と調味料、地元でとれた旬の食材を使ったメニューを提供するライステラスカフェは、太東、夷隅というサーフスポットから内陸へ30分ほど、田園風景が点在するのんびりとした環境にある。田んぼや畑が広がる敷地内ではヤギが草をはみ、時間の流れは海よりもいっそうスロー。時間が止まっていると思えるほどに、日常の喧騒は頭の中からスッポリと消え去っていく。
「全体食を心がけていて、ニンジンなども皮ごと使っています。玄米も皮をむき白米として食すのではなく、玄米のままいただく。そのような考え方でお食事は提供しています。食材は自分のところで収穫したモノを中心に、お野菜などはここからできるだけ近い範囲で採れたモノをお出ししています。お醤油、お味噌、お酢という調味料も自家製。今はスナップエンドウ、これからは空豆が美味しい季節になりますね」
カフェのコンセプトを教えてくれたのは渡貫子嶺麻(しねま)さん。オーナー中島デコさんの娘さんだ。中島デコさんはマクロビオテックの世界で著名な料理研究家。夷隅の土地に出会い、エコビレッジとしてのブラウンズフィールドをスタートした。ライステラスカフェはその展開のひとつ。他にも田植えなど田んぼにまつわるイベント、各種ワークショップを企画し、ツリーハウスを中心に宿泊施設も用意している。
「田植え、草刈り、稲刈り、収穫祭と、田んぼにまつわるイベントは人気ですね。自然に触れ合える機会を提供しているのですが、参加者が毎年増えているので関心が高まっている様子を感じます。私たちとしても、自然のなかで過ごす時間、四季の移ろいが感じられる暮らしがいいよね、と思ってもらえたらいいなと思いますね」
都会と違い空がとても大きく、空気が美味しい。海で遊んだら真っすぐ帰るのではなく、たまにはこのような場所でのんびりしてから帰路につく。女性同士の小トリップにはオススメだし、ハイカロリーではなくヘルシーな食を求める男子にもうってつけ。ライステラスカフェを知れば、ウィークエンドの内容はガラリと変わる。
1)看板
愛らしい看板が目印。足を運ぶ人は女性同士や家族連れが多く、ヘルシーな食を味わいつつ、緑に囲まれた敷地内でのんびりと過ごしていく。
2)お店外観
テラス席は風が心地よく、麦畑の様子や小鳥の鳴き声など五感がフルに刺激される。
3)
気づかぬうちに、いつでものんびりしているヤギのリズムに同調して、心持ちがメロウになっていく。
4)
ツリーハウスは宿泊可能。日が昇れば起きて、夜になれば寝るという、自然のリズムと過ごす生活を味わうことができる。
5)
そよそよと、視覚にやさしい麦は小麦粉にして使用。手がけた食材はまるべく余すことなく使い切ることを心がけている。
6)
メニューはランチプレートが中心。プレートの内容は旬の食材が活かされるため週によって変わる。
7)
玄米を軸としたランチプレート。取材時には粒そばと新じゃがコロッケのトマトソース添えなど、3種のメインを用意。
8)
全体がウッド調の店内は“和”の雰囲気が落ち着きを与える。ゆっくりと会話を楽しみながら過ごしたい場所だ。
9)
学生時代には東京暮らしを経験しつつも、自然体で暮らせる生活の良さを再確認して千葉へ戻ったという渡貫子嶺麻さん。
<問い合わせ先>
ライステラスカフェ
千葉県いすみ市岬町桑田1501-1
http://www.brownsfield-jp.com/cafe/
TEL.0470-87-4501
営業:金・土・日 11時〜17時
03. 未経験者にグッドニュース。サーフもSUPも手ぶらが最旬形!
OASIS SURF & RELAX
クルマを持っていない。ロングボードにトライしたいけれど、長くて大きいからマンション暮らしには厳しい。サーフィンやここ数年で突如として人気が高まったSUP(スタンドアップバドル)に興味はあるものの、いろんな理由で足が遠のいてしまう人は少なくないと聞く。
そこでオススメなのが手ぶらスタイル。自宅からは着替えなど最小限の荷物を持って海へ電車でアクセス。到着したらギアをゲットして、海遊びを終えたらそのまま置いて帰宅する。このなんとも気軽なスタイルを提供しているのが、東浪見海岸の近くにあるサーフショップ、オアシス サーフ&リラックスだ。
「SUPは人気ですね。フィットネス感覚で体験したいという人が増えています。サーファーではない人も多いですし、アウトドアを楽しみたいという傾向が強いように思います。実際、川でのクルージングだけなら初めての人でも楽しめるんです」
そう教えてくれたのはマネージャーの平野ミナ子さん。同店ではSUPのスクールも手がけている。
「最初はお店に集まってもらってから川の上流へ移動します。川へエントリーする前にボードの立ち位置や立ち方、漕ぎ方をレクチャーして、その後は実際にリバークルーズへ。実際に漕ぎながらのレクチャーもしていきます。初心者の方などには12フィートくらいの安定感の高い大きなボードを使って、最初は正座でエントリーしてもらいます。それからゆっくり四つん這いの姿勢や立ち膝になり、スタンドアップしてもらうというステップを踏みます。ボードが大きくて安定しているので、大抵は立ち上がってクルーズを楽しんでいますね。川は緑に囲まれた場所が多く、ちょっとしたアドベンチャー気分。リフレッシュされるようで、リピーターの方も多いですよ」
しかしSUPのボードは大きい。12フィートといえば約3メートル65センチ。正直、置き場に困る人が多いに違いない。そこでオアシスではボードロッカーというサービスを提供している。
「最初からSUPのボードを買おうという人は少ないですよね。そこで、まずはスクールやレンタルで楽しんでもらう。その次に、自分のボードが欲しくなったけれど持ち運びが大変だと思いはじめた人に、ボードロッカーを利用してもらっています。手ぶらでやって来て、手ぶらで帰っていただく。そういうスタイルで海の時間を楽しむことも可能です」
スクール参加者には、マリンスポーツをしたくてウズウズしている人、彼氏がサーファーで何かをやりたいけれどサーフィンは厳しいと考える女性がよく見られるという。しかも電車で来る利用者には駅までの送迎もしている。オアシスを知った今、マリンスポーツはグッと近づいてきた。
1)
光がたっぷりと降り注ぐ明るい店内には鮮やかなサーフボードがズラリ。ショートやロング、SUPまで豊富なカタチが揃う。
2)
インナーマッスルが鍛えられてフィットネス感覚で楽しめるSUPは多彩にラインナップ。形状、サイズ、カラーと好みに応じて選ぶことができる。
3)
マネージャーの平野ミナ子さん。元プロサーファーであるためサーフィンの知識も海の知識も豊富。
4)
フレッシュな雰囲気が漂うのも魅力。マリンスポーツを楽しむスタッフたちがギアの整備を入念にしながら来客を歓迎する。
5)
ヤシの木がハワイアンムードを演出するショップは東浪見海水浴場からわずか南へ向かった九十九里ビーチライン(県道30号線)沿いに位置。
6)
屋外にあるボードロッカー(有料)は24時間、いつでも取り出し可能。12フィートのSUP用ボードまで収納できる。
7)
マイ鍵でしっかりロック。加えてショップによる監視体制もバッチリ。
<問い合わせ先>
オアシス サーフ&リラックス
千葉県長生郡一宮町東浪見7515
http://oasis2009.jp/
TEL.0475-42-1363 定休日:月・火
04. シェアも購入も、一宮を中心に夢のビーチライフをかなえます!
波乗不動産
近年、一宮界隈に拠点を設ける人が増えている。波乗不動産オーナーの佐々木真さん自身もビジターサーファーだった時を経て、10年以上前に一宮へ移り住んだ。今では家族5人で暮らし、海が近く、緑の豊富な環境でゆったりと暮らしている。そして同じようなライフスタイルを望む人が多いのだという。完全なる移住者、週末だけを一宮で過ごすデュアルライフ実践者、友達とのシェアスタイル。スタイルは様々でも、自分の生活に海での時間をどんよくに取り込もうとする人が増えているのだ。
「サーフィンをしているお客さんが多いですね。そのため物件はサーファー仕様が多く、動線にも気を使って手がけています。玄関を入るとまずボードラックある。ウェットのまま入れる場所にシャワールームがある。そのような、かゆい所に手が届く間取りの部屋は、やはり人気がありますね」
今に限らず、海沿いに賃貸物件は数多くある。とはいえサーファー向けにつくられた物件は多くはなく、ましてや扱う物件の大半がサーファー向けという不動産屋は稀少といえる。加えて、「サーファーにとって使い勝手の良い空間であることは大切ですが、東京の時間がオンならば一宮で過ごすのはオフの時間。リラックスができる空間であることも大切」だと考える。そのため住空間は快適そのもの。吹き抜けのあるメゾネットや採光の良い室内空間、さらに海を一望できるベランダを備えたオーシャンビューハウスなど、海好きの心をくすぐりつつモダンな物件を提供する。
「一宮の魅力は、まず波があること。一宮のビーチもそうですが、少し走ればいろんなポイントがありますし、年間を通じてサーフィンのできない日が少ない。これは大きな特徴です。子育てにも環境は良いですよね。広い土地でゆったり子育てができますから。僕もそのような光景をイメージしながら移住してきて、今、とても満足していますね」
現在の佐々木さんは、起床したら海へ行き、仕事が終われば海へ行く、というライフスタイルを送る。目指すは1日2ラウンド。朝は早く、夜も早いという東京在住時代とは異なる生活サイクルだが、明確な欲求を軸としているからストレスに感じることもない。自然、充実感にあふれ、柔和な笑みにあふれていく。そのような仲間が増えていけばいいという思いも、波乗不動産を展開するモチベーションとなっている。
一宮テラス
6000坪の土地を宅地開発し、生まれた『一宮テラス』は家族向けのモダンな一軒家。閑静な環境ながらも一宮海水浴場に近く、気ままなビーチライフを送ることができる。仕様は木造2階建3LDKの屋上テラス付きで、起床面積は105.80㎡。夏には友人を呼んでのバーベキューも楽しい。
サーフビレッジKAI
海まで徒歩1分の賃貸マンション『サーフビレッジKAI』は玄関にボードラックとシャワールームが備わったサーファー仕様のメゾネット。58.68㎡と55.39㎡の2タイプを用意。県道30号線(九十九里ビーチライン)を挟んだ逆側にはサーフショップのHIC千葉ストア、ハワイアンスタイルのプレートランチが美味しいHULA CAFÉがある好立地。屋上からは太平洋が一望できる。
太東スタイル
太東ポイントから北へ向かって九十九里を見渡せる『太東スタイル』は、8戸すべての窓がオーシャンビューという、高台に建つからこその抜群のロケーションが魅力。メゾネットにロフトのあるタイプで、62.95㎡という広さはファミリー用、友人とのシェアハウス用にグッド。ビーチライフを満喫したい人にピッタリ! 駐車場1台付。
波乗不動産
波乗不動産は一宮海岸からわずか。九十九里海岸に沿って走る県道30号線沿いにある。賃貸だけではなく、建築設計・デザイン、不動産プロデュースも行なっている。
オーナーの佐々木さんはもちろんサーファー。仕事、サーフィン、そして5人家族の主としての役割をこなしつつ、一宮での生活を満喫している。
※状況により、すでに契約済みの物件もございます。ご了承ください。
<問い合わせ先>
波乗不動産
千葉県長生郡一宮町一宮10091-1
www.naminori-jpn.com
TEL.0475-40-6600
※2013年取材記事が好評につき、再掲載しています。