Photo Portrait by Ikuzo Fujimura
サーフィンは試合があまり好きでない僕だが、サンセットワールドカップとパイプラインマスターズ、そして、このエキサイティングで一番好きなコンテスト、Billabong Pro TAHITI (ビラボンプロタヒチ)がいよいよ開催される。
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去年まではかなりの年数、毎年行っていたタヒチトリップ&WCTトライアル。
しかし今年は行くことができずにとても残念だが、必ずこの地に戻る時がくる。
世界一の波、と言っても過言ではないこのブレイク。
ここのファンになってしまっているからだ。
今年のトライアルの本戦出場権獲得選手の名前を見て、
去年のWCTトライアルがとっても悔やまれる結果だった事を思い出している。
ネーザン・ヘッジ選手である。
去年の僕が負けたヒートは、彼に負けたのだ。
そしてそのまま彼は本戦に出場。
僕にとって、あと一回勝ってさえいれば、日本人初のタヒチWCT出場となった惜しい場面だった。
ネーザンは僕のすぐ奥に30分間ずっと座り続けた。
波に乗ってすぐ帰って来ては、僕の真横に座り続けた。
普段のサーフィンならばあり得ない行動だし、嫌がらせか? としか思えない様な行動である。
しかし、これは相手との戦いの場。コンテストの時間とルールに縛られた四角いリングの中だったんだ。
後からこれは素晴らしい作戦だったんだ、と解らされた。
自分の相手に対する『やっつけてやる感』が足りなかったんだと。
例え人の波を全て取ったとしても、どんなことしても妨害とみなされなければ良いのである。
だが、大会ではルールブックに逆らわなければ、乗ったもの勝ちである。
どんなスポーツでも『スポーツマンシップにのっとって』といくら言おうが、試合は”勝つこと”。
ここに重点をおかなければ出場している意味がない。
自分の弱い所はそこだ。だからこそ、逆にサーフィンの試合が嫌いでもある。
サーフィンは究極の『融合』『共存』だと思っている自分は試合で相手の波を取ることよりも、次の波で決めれば良い、と思ってしまう。
仲良く楽しく。
そうでなければ、海にサーフィンしに行く意味はない、と思う。喧嘩しに行くのじゃないんだから笑。
それはフリーサーフィンでは最高に良い心だと思う。
でも、そのヒート中は『波くるでしょ』と心に余裕を持たせる様に自分に心がけていた事を鮮明に覚えている。
しかしそれが仇となり、ここぞの一本を乗られてしまったのが敗因だった。
スコアカードをみていても、この波一本だけ乗ってれば、という結果だった。
彼は2年連続WCT出場。
ただ、彼との戦いが有ったから、今の自分の幸せがある。
そう考えれば、『ありがとう』と言うしかないのかもしれない。
しかし、悔しい一本だった。
Billabong Pro TAHITI
また必ず行きます。
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●堀口真平公式サイト
http://www.holy-surf.com
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