いわゆる原付のナンバープレートは道路運送車両法で定められている自動車のプレートとは違って、市区町村の裁量で形状や図柄を決めることができるのをご存知だろうか。
最初にご当地プレートを導入したのは、2007 年の松山市。市の職員が、特区制度を検討していた際に浮上したアイディアで、規制緩和をする必要がなく現法のままできることからすぐに実行され、そののち、松山市の事例が広がりをみせ、2011 年以降、急増している。
そんなご当地プレート。いまだ導入していない地域もあるものの、導入済みの行政にとっては、まちへの愛着が深まるきっかけ作り、PRや交通安全の意識を高める目的のために実施している地域が多いようだ。
今年に入ってからは千葉県佐倉市が市制施行60周年を記念して4月1日から「ルパン三世」がデザインされた原動機付自転車のご当地ナンバープレートを3000枚限定で交付したばかり。
好き嫌いはあるかもしれないが、自分の原付バイクが「ルパン3世」というのもなんとなく優越感があるかもしれない。
さてこのご当地ナンバープレート。前述のように、その地域のPRとして実施する傾向が強く、モチーフや形状を分類すれば
1)シンボル 2)自然 3)産業 4)文化 5)歴史 6)スポーツ 7)アニメ 8)人物 9)キャラクター
に分けられる。いずれにせよ地域の「ザ・シンボル」であり、観光資源を表現しているものと言える。
そんな中、ここ1ヶ月で「サーフボード」をモチーフにすることを決定した行政が2つある。
1つはサーフィンのメッカ、湘南の茅ヶ崎市である。
茅ヶ崎市の魅力をPRし、まちの賑わいを創出し、市への愛着を深めていただくことを目的として、今年1月から末までの一般公募を実施してきた茅ヶ崎市。「サーフボードと自転車が茅ヶ崎を象徴している」との理由で5月23日、茅ヶ崎市在住の南八重さんの作品が選ばれた。10月1日(水)8時30分から茅ヶ崎市財務部収納課にて既存のナンバープレートとの選択制、先着順で交付するという。
ほぼ時を同じくして、宮崎県宮崎市。こちらも言わずと知れた九州サーフィンのメッカである。
宮崎市は、先日5月29日にこの新プレートデザインを発表し、7月1日から2500枚限定で希望者に交付するという。
市政90周年を記念して昨冬、デザインを全国から公募したもので、応募作品の中から牛込幸男さん(49)の作品が選ばれたもの。牛込さんのデザインは、「サーフィンが盛んな宮崎をイメージし、サーフボードをかたどり、青色を基調に上部に空、下部に海を描き、南国らしいフェニックスもあしらった」ということだ。
サーフボードがキャッチーなファッション性を持っている、ということもあるかもしれないが、これら2つの行政は、まさにサーフィンのメッカの土地。サーフィンというスポーツ、またはレジャーが行政や市民にも受け入れられている証、とも言えるかもしれない。
日本は海に囲まれた海洋の国。ご当地プレートの中には海をモチーフにした地域は多数あるが、日本の象徴である富士山をモチーフにした地域も数多い。当然、世界遺産でもある富士山だが、”サーフィンご当地プレート”が増えてくれば、日本のサーフシーンが盛り上がる尺度にもなるかもしれない、とはこの先において楽しみでもある。しかも県単位ではなく市町村単位であるゆえに、小さなメッシュでその認知計測ができるかもしれない。
地域の特性をあらわすご当地プレート。一般財団法人 日本経済研究所のサイトで多くのプレートを閲覧することができる。地域特性がであり非常に面白い。ご興味のある方はぜひ閲覧のほど。
こちらもサーフィンのメッカ、千葉県長生郡白子町のナンバープレート。サーフィンではないが、髪型が波というキャラクターは元気君というネーミング。体は太陽と情熱の赤、髪の毛は九十九里浜の大波を表しているという。
出典:
神奈川県茅ヶ崎市
http://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/zei/7635/038060.html
宮崎県宮崎市
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/miyazaki/article/91266
西日本新聞
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/miyazaki/article/91266
一般財団法人 日本経済研究所
http://www.jeri.or.jp/center/myplate/index.html
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