東海岸に面するファンディ湾近郊がその場所で、サーフされた波はギネス級に時間も距離も長かったとフォトグラファーのヤジン・ウーヒラルは振り返った。
休み休みではあったものの、サーフした総時間はなんと約2時間。総距離は30キロ近く。被写体となるサーファーは1週間の滞在で、150キロ以上に及ぶ長さをサーフ。ひたすらロングボードにぴったりの波に乗り続けたという。
今回紹介する波は、海ではなくて川に出現する。英名でタイダル・ボア(=Tidal Bore)と呼ばれる現象は、干満によって潮が川を逆流し、上流から流れくる淡水と出会う瞬間、波は生まれるのだ。
このような波は南米ブラジルのポロロッカが有名だが、なかでもカナダの現象が特別である点は、波が毎日あらわれることにある。他は干満差が最大となる大潮の時に限定される一方、世界随一の干満差を持つ地域性から、他地域における大潮時の状況が日常なためだ。
そして話題の主役となる波は、ダムが建設され失われ、運営停止となり蘇った。ことごとく、スケールが壮大なのである。
また、チョコレートリバーと呼ばれる川の水はあまりに茶色く、汚染されているようにさえ思える。しかし実際はその逆。周囲の環境はユネスコの生物保護区に指定されるほど豊かな自然があふれ、水の色は川床の泥が交じり合っているための天然色なのだという。
蘇った波は話題を呼び、メディアや観光客が足を運ぶなど注目を集めている。しかしヤジンいわく、ローカルサーファーのレベルは発達途上。今ならパーフェクトな波に乗り放題なのだとか。バレルのセクションもあるというチョコレート・ウェイブ。行くか行かないかを決める前に、まずはコチラの映像を!
★トロントの新聞『ナショナルポスト』に掲載された記事
Article from NATIONAL POST@TRONT, CANADA
★世界に点在するタイダル・ボアの波
SURFING TIDAL BORES