日本人サーファーなら知らない人はいないほど世界的にも有名なサーファーでもあるロブ・マチャドによるショートドキュメンタリーのセカンド・エピソード-THROUGH THE LENS with Rob Machado – Taka’s Treehouseが仕上がった。彼のファンでなければ映像の再生ボタンを押すことなくスルーしてしまうかもしれないが、今度ばかりはファンでなくてもサーファーではなくても、そのボタンを押してみても良いかもしれない。
THROUGH THE LENS with Rob Machado – Taka’s Treehouse from Hurley Japan on Vimeo.
既にコンペを引退し、今は世界を旅するなど独自発信をしている彼が日本にやってきた今年5月。彼の行くところ行くところ、アイドルを追いかけるファンのごとく、サーフメディアも含めて熱くなり数日間は報道やネット露出が絶えなかったことが記憶に新しい。
かつてはWCTという第一戦の舞台でコンペティションを盛り上げていた実力者だが、何よりその風貌、自然体なサーフィンスタイルがスタイリッシュであり個性的で、ぶれないプリミティブさがむしろ先進的にも思え、まったくアクのない内面がザ・サーファーそのもののようにも思える。日本人にとって特別で稀有なタレントサーファーである。
さて、なぜ今回の映像が特別なのか、といえば、それは日本人が語り難き、東日本大震災についても映し出しているからだ。ファースト・エピソードは独特だったが、今回は、日本の素晴らしさや稀有さを描くなどロブを知らない日本人でも見ることができる作品だ。
この狭い国土にある30%は人の手が介在した先進的空間によって成り立ち、残り70%は手つかずの豊かな自然があふれている。特に自身のInstagramでも描いているように都市ではアジアとも欧米でもない“JAPAN”というファッションに心ときめき、インフラは整備され、未来的なフォルムの新幹線が未来を想像させた。
一方、今回登場するツリーハウスクリエイターとして著名な小林崇氏と面会し、彼がその豊かなる自然の木々を使って住まい、森林と寄り添いながらもサーファーとして海でも戯れる、そんな海や山が見事なまでに生活に溶け込みながらも、未来的な都市の機能やカルチャーの異文化もあるこの日本が、おそらく絡み合い凝縮されてその目に映ったに違いない。
capture/THROUGH THE LENS with Rob Machado – Taka’s Treehouse
偶然なのか必然なのか、その小林崇氏が過去20年間の作品の中でもっとも世界に見せたいと願うツリーハウスは、奇しくも地震や津波で被災した子供たちが授業できるよう作られた木の家だった。小林氏との出会い、エピソードを通して、日本という国の先進性、自然だけではない、「人」の思いやりや素晴らしさがラストに描かれている。
capture/THROUGH THE LENS with Rob Machado – Taka’s Treehouse
当然、内にいると見えないものがある。日常に埋没すると忘れる幸せがある。
この日本に生まれたこと、日本の稀有さや素晴らしさをあらためて認識させてくれたロブ・マチャドが見たレンズ越しの目線。
この映像の再生ボタンを押すことで、あらためて震災の重みを含め、それぞれ感じることがあるだろう。そして日本の現状や素晴らしさが、ロブの力によってさらに世界に発信され、共有されることを願いたいと思う。
ロブマチャドInstagramより http://instagram.com/rob_machado
http://www.hurley.jp/through_the_lens/
http://www.hurley.jp/
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