俳優・映画監督の伊勢谷友介さんが代表を務めるリバースプロジェクトのイベント『論-RON- × Social Cinema 』が先週末の8月31日(土)、代官山シアターサイバードにて開催された。
50名限定の有料イベントで、チケットは即完売。当日も終始盛り上がりをみせていた。
本イベントは、環境・平和・人権・文化など、社会的なテーマを取り上げたドキュメンタリー映画(=ソーシャルシネマ)上映、著名ゲストを招いたトークセッション、そして、来場者全員が参加し未来のために議論する、社会派イベントである。
「アートの力」で社会は変えられるか? イベントは盛り上がりをみせていた
当日は、伊勢谷友介さんのコメントムービーから始まり、映画「ヴィック・ムニーズ/ごみアートの奇跡」が上映され、構成作家 谷崎テトラさん、REBIRTH PROJECT アーティスト 横田光隆さんが、映画を紐解き、ゴミ問題やクリエイティブの可能性の話まで、他では聞くことが出来ないスペシャルトークが繰り広げられた。
構成作家 谷崎テトラさんは、環境番組を多く手掛けており、ゴミ問題を中心に映画を紐解いていた。一番驚いたのは、世界主要都市で、ゴミの量が最も多いのが断トツで東京だったことだ。日本は1人当たりの排出ゴミ量も他国に比べ多い。
アーティスト 横田光隆さんは、アーティスト(アート)が社会で担う役割、そしてその重要性を説いていた。東日本大震災があった当時、横田さんは栃木に住んでおり、アトリエが全壊した。流通が滞り、スーパーからモノがなくなり、社会のバランスが崩れた。その経験から、モノの大切さ、また、社会のバランス(秩序)が保たれている必要性を強く感じ作品にした『harmonization / MIRROR』が紹介され、アートの奥深さに唸った。
また、イベントの最後には、来場者がグループをつくり、映画を観てそれぞれ考えたことなどを論じ合った。
どんな消費をすれば、ゴミ問題は軽減されるのか。またイベントで得た気づきや、考えたことをどう周りの人達に伝えたらきちんと伝わるかを論じ合った。ゲストもグループにスペシャル参加し、終始熱い論が繰り広げられていた。
学生だという男性は、アーティスト(アート)が社会に担う役割について語っていた
リバースプロジェクトの理念が伝わる製品たち
会場では、リバースプロジェクトの理念が伝わる製品がところ狭しと並んでいた。
メインは、 自動車のエアバックをリサイクルして作った製品だ。自動車の99%以上の部品はリサイクルされていることはよく知られているが、その中で、リバースプロジェクトでは、リサイクルが難しいエアバックを回収し、製品にしている。
当日は、学生をはじめ若者が多く参加していた。このイベントを中心になって企画したのもリバースプロジェクトの学生インターン生達だ。
彼らは、特に若者を中心に、社会的な問題を論じる場がないことに危機感を感じているようだった。私達が日々の生活で直面する問題は、とても複雑で、答えのないものばかりだ。でも、それを知り、どうしていけば良いかを皆で考える、そういう場があるとないとでは、大きな差だと思う。
このイベント、定期開催されるとのこと。今後益々、「論の場」が増えていくことに期待したい。
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